映画「THE FIRST SLAM DUNK」 あれから26年後の奇跡

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映画「THE FIRST SLAM DUNK」を観てきました。

とんでもなく素晴らしい作品でした。

僕が今まで観てきた映画の中で間違いなくナンバーワン。

これほど感動して、終わったあと余韻に浸った作品はありません。

ネタバレが無いように、感想を記します。

コンテンツ

連載当時のこと

僕はスラムダンクの直撃世代で、ジャンプ連載開始から最終回までリアルタイムに読みました。

スラムダンクはそれまであまり馴染みのなかったバスケットボールを、当時の少年の僕らに紹介してくれた作品。

当然、バスケ部の人数は増えました。
僕も中学に上がって迷わずバスケ部に入部。運動神経がないにも関わらず。

当時のバスケの盛り上がりは、体感では僕が中2だった1994年頃がピークだったように思います。

バルセロナオリンピックのアメリカ代表、いわゆるドリームチームの活躍もあり、ジョーダンの活躍、エアジョーダンの人気。
色々なことが同時に起こりました。

バッシュ人気は特に凄まじく、野球部もサッカー部も、普段履きはバッシュというありさまでした。

マンガとは違う視点=主人公の変更

映画では、主人公は桜木ではなくポイントガードの宮城になっています。

ゲームをコントロールする小柄なプレイヤーの過去の話といえば、三井といざこざを起こして謹慎処分になったことや、綾子さんに振られ続けているということぐらい。

ただ、宮城には「ピアス」というスピンオフ作品のマンガがあり、宮城リョータだと思われる少年の話が描かれています。

沖縄出身であることや、家族のことなど共通点があり、「ピアス」が映画における宮城のバックボーンになっていることは明らかでした。

話を知っているばっかりに、宮城が船に乗る兄に向かって「帰ってくるなー!」と叫ぶシーンが痛々しかった。

原作やピアスで語られなかった、小学生から中学生にかけての話や三井といざこざを起こす前後の話など、悲哀に満ちた過去が深掘りされたことで、宮城リョータというキャラクターに深みが増しています。

だからこそ、宮城が母親に向けて自分の思いを手紙に書くシーンは本当に胸にきました。

「ピアス」はこちらに収録されています

CGで実現した動くマンガの絵

試合シーンはCGで描かれていて、動きがとてもリアルです。

パスを受けたあとのボールの運び方や、ワンフェイク入れてドリブルやパスに移る動きなど、細かい動きの一つ一つがバスケットボールしている。

ディフェンスの動きも、パスを受けるためにガードを外そうとする動きも、躍動感があって本当の選手の動きのよう。

選手それぞれの複雑な動きを同時に処理できるのはCGの強みですね。

音に関しても良くできています。

ドリブルの音ひとつとっても何種類もの音が使い分けられています。

だからもしかしたら、原作を読んでいない人の方が本当の試合を見る感覚でゲームの行方を楽しめるかもしれません。

動きも素晴らしいのですが、僕が何より感動したのは、マンガの絵がそのまま動いているかのような、今までにないCG表現。これが本当に素晴らしい。

キャラクターがアップにったシーンをよく見ると、細かいところで線がはみ出しています。映画の絵を作る上で、わざわざこんなことをする必要はないはず。

輪郭線もそうです。他のCG作品ではほとんど付けられることのない輪郭線をつけることで、より原作マンガの絵に近づいています。

あのとき好きだったマンガがそのままスクリーンの中で動いている感覚は、言葉にするのが難しい。

生まれ変わった湘北メンバーと再会できた懐かしさ。

映像化されるなら、まさにこういうのが見たかった!という嬉しさ。素晴らしい作品に仕上がってくれたことの喜び。いろんな感情が同時に湧き上がりました。

賛否両論の構成。個人的には「有り」

映画の構成については賛否あるようです。

山王戦の試合シーンをメインに、宮城の過去、各メンバーの過去のシーンが割り込む構成になっています。

スピーディーな試合シーンからパッと過去の話が割り込んでくる。

これが試合シーンのテンポを悪くしている、試合シーンだけを見たかった、という意見があるようです。

たしかにその意見は分かります。
僕自身もBlu-rayの特典で試合シーンオンリーのバージョンが付属しないかなーと期待しています。

だけどこの構成がダメかというと、ダメとは思いません。
有りだと思います。

というのは、割り込んでくる過去の話が、試合の状況とリンクしているからか、そこまでテンポが悪いと感じず、違和感もありませんでした。
このあたりの感覚は個人差が大きいでしょうね。

呼吸が止まりそうな演出

一番インパクトがあったのは、試合も終盤、原作で全くセリフも擬音もなかった回に当たるところです。

心音のような音と、時計の針のような音が流れる中、激しい試合展開が描かれた後、最後にゆっくりとボールが弧を描くと完全に無音になる。

映画館内は時が止まったように静か。

映画館で長時間無音状態ってなかなか無いですよね…不思議な体験でした。

僕ら観客も音を出すわけにはいかないから、謎の緊張感と居心地の悪さがあって、早く音が鳴ってくれ!と思いました。

この居心地の悪さは、エヴァのレイとアスカがケンカしたあとに同じエレベーターに乗り込んでしまって、一言も発さない長めのシーンを思い出させました。

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山王戦後の宮城のその後

映画のラストは原作では描かれなかった宮城のその後が観れます。

ほんのわずかなシーンですが、ファンには嬉しいですね。

これは何年後のシーンで、その間何があったんだろう。

妄想は膨らみます。

次作以降の個人的な予想

「THE FIRST」というタイトルから、その後も作品が続くのではないかと予想されています。

メンバー5人分の五部作では?という予想をYouTubeなどで見ましたが、僕の予想は三部作です。

五部作はやってほしいけど、この映画が出来上がるのに10年かかっていることを考えると、五部作は難しそう。
なので、二作目で2名分、三作目で残りの2名分という形を予想します。

そして次の主役は流川だと思います。今作は流川のパートが薄かった。

三井、赤木、桜木は過去の話が流れましたが、流川は無かった。
そのため、流川の過去は謎のままです。

どうやってバスケを始めたのか?なぜそこまで一番になりたいのか?興味が尽きません。

流川は原作ではアメリカに渡る流れがあったので、渡米後の話も見たいですね。
原作の最終回では全日本に選抜されたことも分かってるし、そこでの活躍も見たいところ。

ストーリーを広げるためのバッファは流川が一番あるかもしれません。

主役は二人で予想してるので、もう一人の方は三井か赤木の三年生のどちらかを予想します。

この二人は過去の話がすでにありますからね。過去の深掘りは難しいかも。
とはいえ流川のように未来を感じさせる要素が少ない・・・

ですが話を広げるなら未来の方でしょうか。

大学に行ってからの話とか、社会人リーグ、Bリーグ。これは見たいですね!
あるいは引退して会社員になって久々にバスケをする…いや、こういう展開はあまり見たくないなぁ。

三作目が桜木と三年生のどちらかとすると、桜木は過去と未来の両方の話をしてほしいですね。

桜木の家庭環境も色々ありそうですし、リハビリのあとどうなっていくのか見てみたいです。

最後に

映画「THE FIRST SLAM DUNK」は、原作をまったく知らない人が見ると、キャラクターの名前や関係性が分からなくて困るかもしれませんが、少しでもスラムダンクを知っていたり興味がある人にはぜひ見てほしい作品です。

控えめに言って最高な作品です。

Blu-rayが出たら、僕はきっと迷わず買うでしょう。
いつ発売されるのか、今から楽しみです。

お読みいただきありがとうございました!

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